大人の間違い探し
この問題は間違い探しだ。
しかし、二つの絵を見比べる間違い探しとはちと違うわけだが、本質的な意味では本当にそっくりなのである。
では、論理的思考が求められる問題において「間違い探し」とは何か。
それは、自分との間違い探しであることだ。
通常の間違い探しはすごくシンプルで、俯瞰する絵の中で見出すことができる「違和感」を見つけていくだけ。
今回の間違い探しは、自分の連想したイメージと絵になぞられるイメージとの「違和感」を見つけていくだけ。
そう、対象が異なるだけで、違和感を探していく事に対しては、なんら変わりはない。
だが、この対象が異なるだけで、こうも難しくなってしまうのはなぜなんだろうか。
その答えは「俯瞰的視点」にあると考える。
後者は、自分の思考イメージを元に答えを見出していく必要があり、間違いや見落としだって、もちろん発生してしまう。
だからこそ、俯瞰的視点に立って、客観的に物事を整理することが重要となり、これが単純な絵合わせより難しくなってしまう理由である。
そして、多くの人が俯瞰的視点とは「全体像を見て客観視すること、そして疑いを持つこと。」を提唱していると言う点にも大きな問題がある。
俯瞰的視点で重要なのは、全体像をいきなり見る事ではなく、対象となるスポットに近い関連性を徐々に辿っていき、全体像へ向かって行く事なのである。
こんなことをしているから、考えが錯綜していき、考える事を放棄して、誰かに頼ろうとしてしまうのだ。
だから、人は欺かれ騙されてしまうのだ。
僕たちが直面する間違い探しは、こうやって錯綜していき、隠れた本質を置き去りにして、結果を出せば正解になっていくわけである。
世の中に正解がないのは、「勝てば正義だ」と言う傲慢な風潮が働いているからなのである。